ビグアナイド剤の作用機序について解説

1型糖尿病と2型糖尿病

ビグアナイド剤

ビグアナイド製剤
@) 肝臓における糖新生抑制作用
肝臓においてAMPキナーゼ*を活性化して糖新生に関わる酵素の発現を抑制することで、肝ブドウ糖放出を抑制する

A) 肝臓における脂肪酸酸化酵素促進・脂肪酸合成抑制(β酸化)
AMPキナーゼの活性化によりAMPキナーゼがアセチルCoAからマロニルCoAへの転換を触媒させ、脂肪合成に必須の酵素であるアセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)をリン酸化することにより、ACCの活性を低下させ脂肪合成を低下させる。また、マロニルCoAの産生が低下すると、脂肪酸酸化に関わるカルニチンパルモトイルトランスフェラーゼ1の活性が増強して脂肪の酸化が促進する。

B) 骨格筋におけるグルコースの取り込み促進作用
AMPキナーゼは骨格筋において糖輸送担体(GLUT4)の細胞膜上への移行を促進、あるいはGLUT4の発現を促進することなどにより、筋肉内のブドウ糖取り込みを増加させると考えられている。

C) 食欲抑制、体重減少作用
グレリンやGLP-1などの食欲調節作用のある消化管ホルモンに影響を及ぼすとの報告がある。

指示された時間に飲み忘れたら、1回とばして、次の指示された時間に1回分飲み、決して2回分を一度に飲まない。1日1回服用の場合は、医師に確認をとる
メトグルコ
(メトホルミン)
通常、成人には1日500mgより開始し、1日2〜3回に分割して食直前又は食後に経口投与する。維持量は効果を観察しながら決めるが、通常1日750〜1,500mgとする。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日最高投与量は2,250mgまでとする。
メタクト
(ビオグリタゾン+メトホルミン)
HD(ビオグリタゾン30mg+メトホルミン500mg)、LD(ビオグリダゾン15mg+メトホルミン500mg)
<主な副作用>
・低血糖→単独では極めてまれであるが、SU剤との併用時には注意する

・乳酸アシドーシス
ビグアナイド系薬剤は、主に肝ミトコンドリアの細胞膜に結合して酸化的リン酸化を阻害し、乳酸からの糖新生を抑制することにより血糖を下げるため、乳酸産生が増加する。通常はそれに応じて乳酸の代謝が増加し、乳酸値のバランスは保たれるが、肝での代謝能以上に乳酸が増加した場合や、肝での乳酸の代謝能が低下している場合にはこのバランスが崩れ、血液のpHが酸性側(7.10未満)に傾き、乳酸アシドーシスが発現する。
乳酸アシドーシスの初期症状は、悪心、嘔吐、腹痛、下痢などの胃腸症状、倦怠感、筋肉痛、アセトン臭を伴わない過呼吸が特徴的で、いったん発症すると急激に全身状態が悪化し、死に至ることもある重大な副作用なため、服用中に倦怠感、意識障害などの症状が出現していないか注意する。
乳酸アシドーシスが疑われる場合は、直ちにビグアナイド系薬剤の投与を中止し、血液透析による乳酸とビグアナイド系薬剤の除去、輸液による強制利尿(乳酸を含む輸液は使用不可)、炭酸水素ナトリウム静注等によるアシドーシスの補正(過剰投与によるアルカローシスに注意)等の適切な処置を行う。
ビグアナイド剤の副作用として乳酸アシドーシスが挙げられているが、まれであり、肝・腎・心機能障害のある患者、栄養不良、高齢者などのハイリスク患者への使用に注意して、適用を誤らない限り危険はほとんどないとされる。

・肝機能障害、黄疸→からだのかゆみ、全身けん怠感、黄疸
・長期使用によるビタミンB12の吸収不良
・胃痛、下痢などの胃腸症状→投与後2〜3週間で消失することが多いが、乳酸アシドーシスの初期症状でも同様な症状が発現するため、見逃さないようにする

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